2015年9月9日水曜日

Jリーグクラブにスポーツビジネス的経営を(前編)




Jクラブ個別経営情報開示資料(2014年度)に見るビッグクラブへの道のりとは。


Jリーグの市場規模は870億円


2014年度の営業収入トップは浦和の58億円。
横浜M45億円、名古屋・鹿島ともに40億円、F東京・G大阪ともに38億円と続く。
J1全クラブの収入合計は593億円。
J2・J3も含めたJリーグ全体の収入合計は869億円となる。

つまりJリーグの市場規模は約870億円。
なお同規模感の市場としては「音楽配信サービス」「妖怪ウォッチ」などがある。
音楽配信サービスと言われると想像が付くが、業界の主要プレイヤー(企業)3〜4社がシェアを築く。そして多数の中小企業が残るシェアを競い合う構図となるだろう。

JリーグはJ1・J2・J3で全53クラブ。
(一般的な産業であれば)ビッグクラブが3〜4チーム、中堅クラブが7〜8クラブ、そしてJ1定着を狙うクラブや下カテゴリから上を目指す 小クラブが大多数を占めることになるだろう。



Jリーグクラブの収益構造


続いては収益構造を確認。Jリーグクラブの収入の仕組みは大きく3つとその他。
  1. 広告料(J1合計287億円)
  2. 入場料(J1合計122億円)
  3. Jリーグ配分金(J1合計39億円)
  4. その他(J1合計144億円)
グッズ売上やTV放映権料はJリーグが一括管理し、各クラブに配分される。
その他とは、アカデミー関連収入を含むが開示資料では残念ながら詳細不明。
よって各クラブの経営努力で伸ばせる収益は、広告料と入場料の2項目が主なものとなる。

費用は「チーム人件費」と「経費」「販管費」が主なものだ。
チーム人件費は選手や監督の年棒。クラブの力を左右する重要な項目だ。
経費は試合関連経費(スタジアム利用料等)など、販管費はクラブの運営スタッッフ給与等が該当すると思われる。



続く

それでは次回はクラブの資金力を見てみよう。