2015年9月4日金曜日

広島カープの成功に見る集客 -人口の約2倍、200万人動員達成へ-

日本のスポーツビジネスが発展を遂げている。

2015年9月4日の日経新聞 地域経済広島版の報道によると、プロ野球広島東洋カープの今季主催試合で初の観客動員200万人突破が見えてきたようだ。
経営面でも広島東洋カープの2014年12月期は売上高128億7,420万円、当期純利益5億7,419万円と過去最高益を達成したが、2015年12月期はさらにこれを更新する見通しだ。




プロスポーツチームの主な収益は、1.スポンサー収入・2.入場料収入・3.ユニフォーム等グッズ販売収入の3本柱である。
入場者数が伸びれば入場料は勿論だが、他の要素も左右することは間違いない。
カープは如何にして入場者数を伸ばしたのか、個人的な分析は以下の通り。


間違いなく転機は2009年、MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島(マツダスタジアム)のオープン。
旧広島市民球場を使用していた前年から一気に跳ね上がるのは新聞報道のグラフを見ても分かる。
ただし、それだけではない。
複合的な要因が重なって今季の入場者数が伸びていると推測される。

  1. スタジアム
  2. にぎわい創出
  3. スター選手
  4. チーム成績


スタジアム


「臨場感」「多様なシート設定」マツダスタジアムを表すキーワードとしてよく聞くのがこれらだが、最も大事なのが「立地」である。
日本の野球場、そのほぼ全施設は都市計画の一部として建設されたものであり、市街中心地に立地する。この要素が大きい。

にぎわい創出


「カープ女子」だけではない。B'z「RED」が果たした役割が大きい。
メジャーリーグから復帰した黒田投手の登場曲としてB'zが書き下ろした「RED」。その後に音源化されてはいるがシーズン開幕時にはマツダスタジアムで黒田登板時のみ使用されていたため、それを目的にスタジアムへ足を運んだB'zファンも多かっただろう。


スター選手

NYヤンキースから8年ぶりに古巣広島カープへ復帰した黒田博樹。
ローカルビジネスとしてプロスポーツチームが機能していればスター選手が必ずしも必要ではないが、「チームの価値」を高める上ではその必要性を今季のカープが立証しているのだろう。


チーム成績

スター選手同様、成績で入場者数が左右されないのが望ましいがそれも理想論。
過去2年間、クライマックスシリーズへ出場していることは無縁ではないだろう。「強いチーム」「タイトル」も観戦者獲得には必要である。