2015年9月14日月曜日

逗子マリーナ、高層ホテル建設問題の裏側に見える真の狙い

2015年7月30日、神奈川新聞が「逗子マリーナに130m超の高層ホテル構想」を報じた。

2020年東京五輪セーリング競技の江ノ島開催を見据え、逗子マリーナを運営するリビエラグループが同マリーナ内に高層ホテルを建設する構想を検討しているというものだ。
この報道が波紋を呼んでいる。



構想の概要とは




写真は今日の逗子マリーナ(写真上部)・小坪港(写真中央部)である。
高層ホテルは1,100人分の客室・VIPルームも兼ね備える。
防波堤の拡張そして小坪港や周辺道路の再整備も行うと、ご覧のような光景となる。


リビエラグループが作成したイメージ図


地元住民は有志団体を立ち上げ猛反対。
景観、海の生物、静かな暮らしの保護を訴えている。
地元議員はまちづくり条例の高さ制限を越す構想に疑問を投げかけている。

ただし、この高層ホテル建設問題、本質を見落としていないだろうか?



「五輪向け」は大きな勘違い?


逗子マリーナと言えば、リゾートマンション・ヨットハーバー・ウェディング。
色々なイメージがあるが、事業の収益力としてはウェディングが牽引する構図であろう。

そのウェディング業界は横ばい又は市場規模の縮小が続いている。
2014年の婚姻件数は64.3万組と戦後最少。晩婚化などによる挙式の簡素化も響く。
そしてここにきて近隣の横浜に新たな動きが出ている。



逗子マリーナはこのままでは利用者獲得も難しくなる。
鎌倉駅からバスで10分、「リゾート」を売りにしてきたが決定的に不足するものがある。
そう、ホテルだ。

宿泊だけではない。
ホテル内レストランでの2次回需要や、小坪港再整備でレジャー強化も期待できる。
東京五輪セーリング競技開催地に選ばれた今、大きなビジネスチャンスがある。

「五輪向け」と報道されたことによって”わずか2〜3日のために ”や”いくら五輪という大義名分とは言え”と、騒動が過熱してしまっている。

「五輪向け」ではなく「五輪を機に」ホテル事業への進出が真相ではないだろうか。



ふたつの「コウソウ」


あくまで「構想」段階の計画で「高層」ホテルの建設という点。
この先どのような経緯を辿るのか注目していきたい。