2015年10月8日木曜日

スタジアム新時代が到来、存続危機の三ツ沢球技場は改修か?それとも…。

横浜FCは13年ぶりにJ1を戦うが…


Jリーグは2015年9月29日、2016年シーズンのクラブライセンス判定を発表した。
スタジアムの品質向上を強く求めるJリーグは、屋根のカバー率やトイレ数の基準に満たない制裁対象のホームスタジアムと対象クラブを公表している。



「この際!」と割り切り易かったクラブ


最も厳しい制裁となるのが、屋根・トイレ両方が基準に満たない7クラブのスタジアム。
中でもJ1の4クラブ(2015シーズン時点)は対応が早かった。

以前よりスタジアム構想が持ち上がっていた広島を始め、清水、名古屋、山形でも『サッカー専用スタジアムの新設構想』を発表した。

このままではJリーグの試合が開催できなくなる、と尻に火がついた格好だ。
最も厳しい制裁対象であったのが逆に功を奏したように思われる。
こうなれば既存施設を改修するよりも新しく建てた方が良い、それであれば陸上競技場ではなくサッカー専用に、と必然的に話は進む。

サポーター念願のサッカースタジアムが実現に近づいている。

広島新スタジアムイメージ図

清水新スタジアムイメージ図




「改修?新設?」判断に迷う・または危機感が薄いクラブ


屋根が基準に満たない13クラブとトイレが基準に満たない1クラブ。

最も厳しい制裁のクラブと比較すると、ACLが開催できないという制裁のみ。
そして対象14クラブのほとんどはJ2所属、若しくはJ1定着を目指しているクラブ。
まだまだACLを意識する段階でない為かスタジアムに対する危機感が強いとは思えない。

それでもやはりJ1クラブ(2015シーズン時)は対応を進めている。
松本山雅は新スタジアムの構想を、湘南は既存スタジアムの改修構想を発表した。
その他にもC大阪はキンチョウスタジアムを将来的に4万人収容まで拡張する構想を、富山は街中スタジアム新設構想を発表している。



スタジアム存続危機の三ツ沢球技場


Jリーグ最多の3クラブ(横浜M・横浜FC・YSCC横浜)を有する横浜市。

サッカー専用である三ツ沢球技場は、1964年東京五輪のサッカー会場であり、Jリーグ誕生時から使用され、全国高校サッカー選手権の会場でもある、言わば聖地だ。

ただ、時は流れ今では三ツ沢に代わり日産スタジアムが歴史に名を刻む。
2002年サッカーW杯、2019年ラグビーW杯、2020年東京五輪サッカー会場、他にも日本代表の試合やクラブW杯が開催されている。

単純に考えれば、三ツ沢がクラブライセンス基準を満たさないのであれば日産を使用すれば良いとなるだろう。マリノスの雰囲気一色に染まるスタジアムを横浜FCが使うという心理的なものを除けばであるが。

では三ツ沢はもうお役御免なのか?
追い討ちをかけるようにスタジアムの真後ろに市民病院の移転が発表された。





もともと老朽化した団地が隣接しており、スタンドに屋根を設置するにも工事スペースすら無かったが、そこに病院が移転してくることになった。
三ツ沢公園と一体的に整備されていく計画である。

こなると騒音の問題など、むしろ通常のJリーグの試合開催ですら雲行きは怪しい。
屋根を付けてACL開催基準を満たすことなど検討テーブルにも上がらないだろう。

なぜならば地下鉄で3駅隣に国際基準を満たす日産スタジアムがあるのだから。



三ツ沢新スタジアムを実現するためには


総合的に考えて横浜市が三ツ沢球技場を改修する可能性はほぼ無いだろう。
現在の成績や人気、クラブの経営面を考慮しても横浜FCが市を動かすことは無理だ。
マリノスには日産スタジアムがある。
Jリーグで数試合、ナビスコや天皇杯で使用すると言って市を動かすことも無理だ。

八方塞がりか。

では高校サッカー選手権の試合会場として聖地三ツ沢の存続を目的に改修はどうだろう。
県内および市内の学生の健全な未来をつくる大義名分で。(教育を全面に押し出す)

さすがに7万人収容の日産スタジアムは高校サッカーには不相応だ。
近年では首都圏会場もフクアリやNACK5のように改修したスタジアムが使用されており、昔ジェフのホームであった市原臨海競技場はもう使用されていない。
このままでは三ツ沢は高校サッカーでも使用されなくなる可能性もある。

それであれば2万人規模で良い。
そこを横浜FCのホームスタジアム、マリノスの国内カップ戦用として使えば良い。

三ツ沢公園内の陸上競技場を取り壊し、そこにサッカースタジアムを建てる。
隣接する病院に配慮し、現球技場はピッチの芝生のみ残し公園として再整備し市民に解放するのはいかがだろうか?

三ツ沢新サッカースタジアムおよび市民病院移転後の配置イメージ図