その翌日には米国アップルが音楽聴き放題となる「アップルミュージック」を開始すると発表した。
日本勢の同類サービスとの比較表を見ると、海外勢の料金体系は日本勢の倍近くを設定している。強気だけではない確かな根拠があるのだろうが、それは果たして…。
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2015年6月9日 日経新聞 |
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2015年6月10日 日経新聞 |
動画、音楽と立て続けに米国の定額制サービスが日本へ上陸してくる。
従来のコンテンツごとに料金を支払っていたビジネス構造が大きな変化を迎えるのは必至で、これがコンテンツホルダーにどのような影響をもたらすのだろうか。
飲食店で例えるならば、1品ごとに料金を支払うのか、XX円食べ放題でどれだけ食べても定額なのか。
高級牛肉の生産者は食べ放題レストランへの提供を望むのだろうか。
一般的には食べ放題で提供されるものはクオリティが低い印象だが。
映画やドラマ、音楽が同じようになるとは限らないが、超ヒット作と無名な作品が一緒に扱われてしまえば無名な作品のみが恩恵を受けることになるだろう。
音楽で言うなら無名アーティストがミュージックステーションに突如出演し有名アーティストの横に座っているのと同じことだからだ。一夜にしてスターになるチャンスもあるだろう。事実、アップルミュージク開始の記事にはこのようなことが書かれている。
この現状が続けばヒット作を持つコンテンツホルダーは敬遠がちになり、新人や無名な作品を持つコンテンツホルダーは勢いづくだろう。
ただしユーザーが期待しているのは、映画館で1回観る料金やCDシングル1枚分の料金でヒット作品が全て手に入ること。そこに無名作品が数多く露出されることは広告を見るのと同じ感覚となり、結果としてユーザーが離れていくことになることもあり得る。
定額制サービス、ユーザーの裾野を広げることには間違いないがコンテンツのクオリティをどこまで維持できるのか、今後の展開に注目したい。