2015年6月4日木曜日

2020年東京五輪、スポンサー集めが絶好調

2015年6月現在、国内スポンサー最高位の「ゴールドパートナー」に13社が決定。1社150億円以上が目安の巨額投資する企業集めが好調のようだ。

2015年6月3日 日経新聞

五輪スポンサーはサッカーW杯など他の大会スポンサーになるのとは決定的な違いがある。
五輪には「クリーンベニュー」ルールというのがあり広告看板を置いて企業名を露出させることは出来ない。大会ロゴ等の使用や日本選手団を応援していると堂々と言えることがパートナー企業のメリットとなる。

ただし、スポーツ用品メーカーの場合は分かりやすい。日本選手団や8万人のボランティアのユニフォームを提供し、その全てにブランドロゴが表示されるからだ。日本選手が活躍し、表彰台に上がれば必ずユニフォームの胸部分にはブランドロゴが露出されることになる。
過去の五輪では日本選手団のウェア提供はアシックス、ミズノ、デサントの3社が持ち回りで担当していたが、2020年はゴールドパートナーの締結によりアシックスが独占的に担当することになった。

そこでスポーツ用品市場を少し調べてみた。

業界地図2015年版によると世界の総合メーカー2強、ナイキ(売上高約2兆8,000億円)とアディダス(売上高約2兆円)が他を大きく引き離し、2強を追うのがプーマ(売上高約4,100億円)そして日本勢のアシックス(売上高約3,300億円)とミズノ(売上高約1,800億円)などの3番手争いという構図。

アシックスの売上高構成比は、シューズ76.4%・アパレル17.4%・スポーツ用具6.2%と世界2強と比べるとシューズの割合が高くなっている。
さらに細かく見ていくと、海外売上高比率が80%前後を占めており目下の課題は「アパレル」と「日本市場」であることが見えてくる。
そこで今回のゴールドパートナー締結に踏み切ったということなのだろう。

12年のロンドン五輪ではアディダス、16年のリオ五輪ではナイキ、と2強がスポーツ用品メーカーとしてオフィシャルスポンサーを結んでいたが20年の東京五輪では2強以外のアシックスが結んだこと自体にインパクトもあるだろう。

今回のゴールドパートナー締結を機に中長期で見ればアシックスがスポーツメーカー世界3位の座を確実なものにすることが期待される。