Jリーグ横浜Fマリノスは2015年5月21日、クラブハウスや練習場の他グッズショップを備えるマリノスタウンの移転を発表した。
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2015年5月22日 日経新聞神奈川版 |
マリノスタウンは横浜駅から徒歩15分のみなとみらい地区に2007年建設されたクラブを象徴する施設。
たしかに対売上高比率12.5%を地代家賃が占めては経営が圧迫されるのも無理はない。
今回の移転によるコスト削減で、その予算を選手育成費などに充てるらしい。
もう少し調べてみると、Jリーグクラブの個別経営情報によると2014年1月期横浜Fマリノスの売上高は43億1,500万円、費用は43億600万円。
この費用43億円のうち、おそらく賃借料は「トップチーム運営経費」など複数項目に振り替えられているのだろう。
では、トップチーム運営経費を他クラブと比較してみると、
6億5,200万円(C大阪)、4億7,200万円(大宮)、4億4,800万円(名古屋)、4億4,300万円(横浜M)、4億3,400万円(浦和)が上位5クラブ。なおチーム人件費は別項目。
マリノスよりも大宮の方がまずいんじゃないか、セレッソ群を抜いて高額、というのもあるがそれは一旦置いておき、営業収益との比率も考慮すると経営状態としては名古屋と非常に近いことが分かる。
奇しくも両クラブとも自動車会社を親会社に持つ資金力が豊富なクラブ。
今回の経営改革は慢性的な親会社頼りという課題からの脱却への一歩としては英断と思える。
Jリーグがクラブ個別の情報を開示して以来毎年トップの浦和(2014年1月期は売上高約58億円、費用約56億円)を越す日が来ることを願う。